書評:『最速の仕事術はプログラマーが知っている』(清水 亮)

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最速の仕事術はプログラマーが知っている 清水 亮 クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2015-07-24 |
うーん、だめだこれ。
- だらだら長いキレのない文章
- 何を言いたいのかわかりにくい図表の使い方
- そもそも大した中身が無い
目次で面白そうだなと思って購入したのだが、目次を見て浮かぶ期待に対し実際に提示される内容のレベルが低すぎる。
本としての方向性も曖昧で、効率化のための個別Tipsとその基本となる抽象的な考え方の間でうろうろしてどちらも中途半端になっている。後者の掘り下げが甘いのだと思う。
1例挙げると、
第3章 頭がクリアになる情報の整理法
第3節 目当てのタイトルが瞬時に見つかるタイトルづけ
では、案件ごとに
- 優先度(A、B、C……)+顧客名
というフォルダの命名法がまず紹介される。
こうしてファイル名順でソートすると
A_BBBB社
A_XABB社
B_CCCC社
B_AAAA社
C_XXXX社というように、案件の優先順位に応じて並べ替えることができる。
(p64)
そしてこう続く。
しかしこの場合、特定の企業のフォルダを探し出したいときに不便だ。
最近のオペレーティングシステムにはかなり強力なファイル検索機能がついているのでそれを活用するというのも悪くない。
日本語で会社名が書いてある場合、探すのが少し面倒になりがちだ。
そのため、例えば最初の頭文字をアルファベットで書いておいて検索しやすくするという工夫がある。
例えば以下のような感じだ。a_安達産業
b_ドコデモテック
f_富士総合証券
(略)このようにしておくと、このフォルダを開いてfとキーを押せば、すぐにf_富士総合証券のところにカーソルが移動するというわけだ。
(p64)
……フォルダのツリー構造がどうなっていて、どこでどう操作が行われているのかわかるだろうか? 「このフォルダ」ってどこのフォルダなんだ? 俺はまったくわからない。この文章を読んで理解できる読者がどれくらいいるのだろうか。
この文章では
- 「案件の優先順位による命名法」
- 「OSの検索機能」
- 「会社名の頭文字アルファベット記入」
の3つがどういう関係性になっているのか明確でないし、そもそも1と3はフォルダツリー構造の中で共存可能なのか?(名付けるだけなら可能だがどう運用するのか?)
だいたい方法論を紹介するときに「例えば(……)という方法がありうる」って自分自身でやってねえんじゃねえのかこれ。
おまけにこの節は、
同じ頭文字で始まる会社が増えてくるとこのテクニック(=3)は使えなくなってしまう。
(……)
とにかく、情報が無限に増え続け、それを適切に整理しなければなにもできないという状況は常に存在しているのだ。(p66)
これで終わる。
「使えなくなってしまう」で終わるのかよ。
その先が知りてえんだろうがよ。
著者はこの本を書くのにいったいどれだけ質の高い時間を費やしたのだろうか。丁寧に書くということとダラダラ書くということは違う。この本の内容はせいぜいWebレベルのものであって、出版のレベルにはない。
(2015/07/29追記)
「最速の仕事術はプログラマーが知っている」重版決定!そしてさらに新刊のお知らせ - shi3zの長文日記
6時間で書いたんだって。さもありなん。