マンションを買ったので購入に至るまでの経緯を書いておきたい。

マンションを買ったので購入に至るまでの経緯を書いておきたい。

この4月にマンションを購入したので、自分の記録がてら経緯を書いておく。
5月中旬現在になっても毎週末何かしらの予定が入っているので、家を買うのは本当に大変である。

自宅を買うかと思い立つ 〜 一度気持ちが冷める

転勤で今の住まいに引っ越したのが7年前の2015年。結婚式の準備が大詰めの時期に急遽決まった異動であったため、式から1週間後に引っ越しというかなりしんどめのスケジュールだったことを覚えている。妻は式の直後と引っ越し当日の2度寝込んだ。

物件を探すにあたり、職場への通勤が楽でできれば自転車通勤圏内であること、家賃が同程度であること、カウンターキッチンであること、オートロックを最低条件として探したところ物件が3つしかなくなってしまい、首都圏の家賃相場に慄いた。

結局新築だが駅からバス20分弱で周辺よりもやや高めのマンションに決め、駅が遠い以外は特に不満も出なかったことからあれよあれよで7年間が経過した。
(あとで気づいたことだがこの物件は間取りも良かった。南側バルコニーに2部屋が面しており、LDKも冷蔵庫がリビングに近い位置に設置できる間取りで動線がよい。この辺は増田奏『住まいの解剖図鑑』が分かりやすく参考になった)

住まいの解剖図鑑 | 増田 奏 |本 | 通販

ちょうどコロナ禍がはじまった2020年の2月くらいになって、ステイホームと子どもが大きくなり始めたことも重なり家が手狭になってきたこと、投資信託で資産が順調に増えていたことによる心理的余裕があったこと、低金利のうちにレバレッジをかけておくほうが有利なのではという思いがあったことなどから、マンション購入を検討しはじめた。

選択肢として戸建てかマンションか、そして新築か中古かがあるが、
物件選びでは、転勤や定年時の住み替えなどいざというときの売りやすさを考えてマンションに、
特に新築にこだわりがないことから立地やコスパを考えて中古に絞った。

結果論ではあるが、思い立ったその時点であれば実際に内見したどれを買ってもトータルで黒字になっていたはずであり、えいやと購入しておくのが正解ではあった。しかし当時は2月に2件、6月に3件を見たもののどの物件もどこか気にあるところがあり(目の前が墓地、準事故物件、職場からさらに離れる、居住層がやや気になる、最上階で庇が浅く夏暑そう&侵入しやすそう等々)、いま考えるとかなりコスパのよい物件も1つあったのだが、当時は何か目に見えない不都合があるのではと逆に警戒してしまうなどして、迷っているうちに熱が冷めてしまった。

物件探し再開と購入の決め手

それから2年が経過した今年の2月、やはり家の狭さが改めて気になったことからふと思い立ちsuumoを検索して適当な物件に資料請求をし、現地見学を3件して、仲介業者が紹介してくれた2件目で契約することにした。
何もかも自分の要望通りとはやはり行かず、決断するために3度同じ物件を訪問することになった。
決め手は下記。

  • 2年前と比べると全体的に価格は上昇しているが、その中でも比較的コスパがよく、フルローンでも毎月の返済が(よく言われる額面年収ではなく)手取り年収の25%程度に収まる
  • 専有面積がそこそこ広い(もう10㎡あると各部屋にゆとりができたろうとは思うがまあ許容範囲)
  • 専用庭あり
  • 都市ガス
  • コンセントの数が十分
  • 窓が2重ガラス
  • ネット回線がフレッツ含む複数回線から選べる
  • エントランスの2重オートロックや窓の防犯仕様など、マンション全体のセキュリティが比較的良い
  • マンション全体で修繕積立金がきっちりと積み上がっており滞納額が少ない
  • 戸数が100以上で管理費等の負担が将来的にも上がりにくそう
  • 駐輪場やゴミ捨て場がきれいで管理が行き届いている
  • 過去数年での空き物件数が少ない
  • スーパー、ホームセンターが徒歩数分の範囲内にあり、近隣にマンションが合計で約500戸分あることから撤退リスクも低そう
  • 最寄り駅まで自転車圏内、徒歩でも20分程度なので、仕事が遅い日でも駅までたどり着ければ自力で帰れる
  • 既に入園が決まっている娘の幼稚園の通園範囲内
  • 一緒に内見した妻が納得した

イマイチだったけど妥協した点は下記

  • 1階
  • 南西向き
  • ハザードマップの2階床下浸水エリア
  • 眺望がかなり悪い
  • キッチンが壁付き
  • ガスコンロ(IHでない)
  • リビングの真ん中あたりに梁が張り出している
  • 和室あり
  • 風呂釜の作りがやや古い
  • 専用庭の管理規約のグレーさ
  • 窓の防犯用設備のダサさ

クリティカルな要素はハザードマップで、1階ということもあり気にはなったが、実際の床高は2階近くの高さに設定してあり、ここまで浸かるならそもそも市内の大部分がダメというレベルだろう、と判断した。自家用車があったらまた違った判断となるだろう。

リセールバリュー的にどうかなという点が散見されることもあり、娘の幼稚園というゆるい縛りがなければ決断していなかったかもしれない。本来3年しか通わない園を基準に物件を選ぶべきではないと思うし、もっと良い選択肢が別の地にあったのではという思いが今後しばらくつきまとうことになりそうである。ただ、選択肢が減ったおかげで踏ん切りがつけられた部分が大いにあり、周辺環境が既に分かっていることで予想外の不都合やリスクを避けられたとも思う。

事前にわかったことと調べきれなかったこと

メリットデメリットは概ね事前に確認できたが、ネット回線の状況と専用庭の管理規約はなかなかはっきりしづらかった。

ネット回線はau光とフレッツ光が選べることまでは仲介会社経由で確認できたが、そこから先が「速度的にはたぶん大丈夫だと思います」というふわっとした回答だった。こちらの不勉強もあり何度も行ったり来たりの確認となったせいで仲介会社の回答がかえって曖昧になってしまったかもしれない。
要は光回線かどうかだけを確認しても意味がなく、

  • マンション一括で配線されている場合、各戸への配線は光配線方式か(ここがVDSL方式だと各戸では最大100mbpsしか出ない)
  • 光配線方式でない場合、一戸建てタイプの回線を個別に引くことができるか

この2点がポイントになる。
だから最初から分配方式は各戸への光配線、VDSL、LANのどれなのかと明確に投げておくべきだった。
下記のそれぞれで現在の提供状況を確認し、

提供エリア検索 | インターネット回線 | au
フレッツ光(光回線) 提供エリアのご確認|フレッツ公式|NTT東日本

フレッツ側を見たところ今の物件がフレッツ光ネクストギガマンション・スマートタイプなのに対し、新居がハイスピードですらないただのマンションタイプなので、結論から言うとVDSLであった。そこまで辿り着けたのが契約手続がかなり進んだ段階だったので、もはやいかんともしがたい状況となってしまった。南無。
実際の速度は繋いでみないとなんともなところはあるが、現在90〜200mbps出ている環境から移るとちょっと不満が出てきそう。NTTに引越しの連絡を入れた際も電話口で「今までより遅くなりますがご承知の上ですよね?」と心配されたので、やはり体感できるレベルで遅くなるのかなあ……。
明確に支障が出るようなら一戸建てタイプの回線が引けるかどうかを確認し、それもダメなら5G対応ホームルーターなども検討したい。

管理規約は事前に見たかったのだが、結局現物を目にできたのは物件購入契約の当日であり、中身に目を通せたのはさらにその2日後であった(契約当日、時間がかかってもその場で内容を見たいと強く主張すべきだったのかもしれない)。

特に気になったのは、1階で専用庭があるのだが、隣家との間のフェンスが視線をほとんど遮らないタイプで、お互い見ようと思えば部屋のほうを至近距離から見られる状態だったこと。
フェンスや植栽で視線を遮ることは可能かと契約前に仲介業者に確認した段階では「管理規約でフェンスへの目隠し設置や植物の直植えはNG、景観を大幅に変更するようなモノの設置も厳しい。他の一階住民もそうしてるようだし」との回答だった。確かに見える範囲の隣室の専用庭はいずれもプライバシーを強固に保護しようという意思をあまり感じさせず、手入れも芝を刈って雑草を適宜抜いてます程度のものであったのでそんなものかなとひとまず納得した。気になるようならあまり大きく育たない種類の庭木を鉢植えで並べて目隠しにする等も可能ではなかろうかと楽観的に考えてよしとした。

冷静に考えると、ダメだった場合それなりのストレス要因になっていたかもしれないなと思う。
規約を実際に読むと「通風や眺望に影響を与える設置物や樹木はNG」とあり、目隠しや植物の直植え自体が明確に否定されてはいなかった。このあたりは仲介業者もディフェンス上厳しめに回答したのだろうとは思うが、そうならそう言ってほしかった。

気になった点のもう1つが日当たりで、この物件は南西向きであった。これまで住んできた物件も実家も東南〜南向きのものばかりだったので、どのくらい違和感が出るのかは正直住んでみないと分からない。庭の前が別の物件になっていて、部屋が通行人から見られないのは良いが、眺望がまあ悪いのも妥協点であった。
眺望条件はそこまで重視していなかったが、夫婦ともどもインドア派で休日もほとんど自宅内で過ごしていることを考えると、窓から見える景色の質や日当たりは思っている以上に重要だったかもしれない。この辺、庭づくりの重要性が増す感じもある。

管理規約の話に戻ると、窓の変更に関しては外観の統一感が崩れることを嫌って一切禁止とされている物件が多いイメージだが、「見た目変えずに性能上がるならいいよ」という記載だった。割と珍しいかもしれない。
既に二重窓であり、ある程度保温・防音効果はあるが、将来的に樹脂サッシ三重窓などへの変更もできそうなのはありがたい。

住宅ローン選び

住宅ローンは変動金利・フルローンを選択。
審査は下記の3行に申し込んだ。

  • 三井住友銀行(実質変動金利0.475)
  • SBI住信ネット銀行(0.41)
  • auじぶん銀行(0.41)

ここ数年健康診断で肝臓の値が要検査なのだが、幸いいずれも審査はクリアできた。ただしSBIは諸費用などを除く金額しか不可とのことで、250万ほど自己資金を投入する必要あり。手元に現金を残しておきたかったのでこの時点でSBIはなくなり、金利、団信の保障内容などを総合的に見てauじぶん銀行を選んだ。

auじぶんは携帯回線・電気などをセットで頼むとここからさらに0.37まで金利が下がるのだが、格安回線からauに戻すことになるのであまり金額的メリットも大きくなく、ロックインされるデメリットのほうが大きいように感じられたのでそこは却下した。

リフォームのあれこれ

物件の契約後、和室と浴槽がやはり気になったので入居前にリフォームをすることにした。
各施工会社のリフォーム事例の工事期間を見ると長くても数日というところだったので余裕だろうと思っていたが、実際には施工会社に見積もりを依頼してから工事完了まで、リフォーム内容の検討、現地確認、相見積、契約等々でトータル3ヶ月ほどかかる予定となっている。入居が1ヶ月ほど遅れることになったが、年度末の引越し高騰期を避けられたため、ある程度家賃と相殺できそう。

業者は価格、提案内容、レスポンスの速さのいずれも良かった地元リフォーム会社に頼むこととした。相見積のための現地確認の際に社長本人が来てできることできないことをその場で即回答してくれたことも良かったし、契約後に「ついでにこの辺も直しときますよ」と言ってくれるなど、好感度が今のところ高い。

意外に必要だった出費

エアコン3台30万、カーテン4部屋分40万は完全に想定を超える出費であった。
特にカーテン。なまじ最初に百貨店を見に行ってしまったのが失敗だった(専門店より高めだし、一度良いものを触るとランクが落としにくい)。
金額以外にもカーテン決めは色や柄の選択でかなり難航した。何も考えずに選ぶと色や柄が好みかどうかだけを近視眼的に見ることになってしまい、いざ注文しようという段階で「良いと思ってたけど本当に大丈夫かこれ……?」となる(なった)。部屋のテイストをどうしたいのか先にイメージして、同居する家族の間で共有しておくべきだった。

とりあえず現時点ではここまで。