書評:『エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする』(グレッグ・マキューン)

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
グレッグ・マキューン 高橋 璃子

かんき出版 2014-11-19
売り上げランキング : 429

Amazonで詳しく見る by G-Tools

エッセンシャル思考は、単なるタイムマネジメントやライフハックの技術ではない。本当に重要なことを見極め、それを確実に実行するための、システマティックな方法論だ。
エッセンシャル思考が目指す生き方は、「より少なく、しかしより良く」。
(本書帯より)

現代人の多くは、降りかかってくる仕事やその他のことをあれもこれもと引き受けてしまう。しかしこれは自分の人生を自分でコントロールできていないに等しい。
そうではなく、主体的な選択によって、自分の人生にとってより重要なことを着実にこなしていく状態が望ましいあり方であり、そのために必要なのは、何が本質的=エッセンシャルなことであるかを見極め、非エッセンシャルなものをきっぱりと断っていく技術である――本書を要約すれば以上となるだろう。
言ってしまうと、いわゆるビジネスにおける「選択と集中」の個人版である。

帯には「システマティックな方法論」とあるが、内容は体系的にまとまっているわけではなく、上記の「エッセンシャル思考」を実行するためのTipsというほうが正しい。
また内容としても、ときおり大学の研究成果等を援用するものの、論拠が精細に示されてはおらず、あくまで著名人や筆者の体験談ベースに基づく自己啓発書の域を出ない。
ただ、内容としては頷けるものではある(思考ベースが「選択と集中」戦略なので当たり前といえばそうだ)。
仕事で行き詰まりそうになった際、自分の手元に本質的でない仕事を抱えすぎていないか振り返るための参考書と考えればよい本だろう。

  • 最も重要な仕事にきちんと向き合う時間的・精神的余裕がなくなっていないか?
  • 何故こんな仕事をやっているのかわからなくなっていないか?
  • 何が優先されるべき仕事か判断する能力を維持できているか?
  • 本質的でない仕事や誘いをどうやって断ればよいのか?

俺もそうだったが、仕事で必死になればなるほど、何が重要で何がそうでないのかの判断力が低下していく(しかも自身ではそのことに気づかない)。目の前のことをこなすためにとにかく来るものから手を付けて、足りない時間は睡眠時間を削って捻出して……ということは多くの方に経験があるところではないだろうか。
この負のスパイラルに陥らないようにするにはどうすればよいのか?
本書はそのための、ひとつのよい指針を提示してくれる。
 
 
 

目次

PART1 エッセンシャル思考とは何か(p12)
第1章 エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考(p16)
第2章 選択──選ぶ力を取り戻す(p50)
第3章 ノイズ──大多数のものは無価値である(p58)
第4章 トレードオフ──何かを選ぶことは、何かを捨てること(p68)

PART2 見極める技術(p80)
第5章 孤独──考えるためのスペースをつくる(p84)
第6章 洞察──情報の本質をつかみとる(p96)
第7章 遊び──内なる子供の声を聴く(p108)
第8章 睡眠──1時間の眠りが数時間分の成果を生む(p118)
第9章 選抜── もっとも厳しい基準で決める(p132)

PART3 捨てる技術(p146)
第10章 目標──最終形を明確にする(p150)
第11章 拒否──断固として上手に断る(p162)
第12章 キャンセル──過去の損失を切り捨てる(p180)
第13章 編集──余剰を削り、本質を取り出す(p194)
第14章 線引き──境界を決めると自由になれる(p204)

PART4 しくみ化の技術(p212)
第15章 バッファ──最悪の事態を想定する(p218)
第16章 削減──仕事を減らし、成果を増やす(p232)
第17章 前進──小さな一歩を積み重ねる(p242)
第18章 習慣──本質的な行動を無意識化する(p254)
第19章 集中──「今、何が重要か」を考える(p268)
第20章 未来──エッセンシャル思考を生きる(p280)
最終章 エッセンシャル思考のリーダーシップ(p296)