小牧市ツタヤ図書館、契約解消へ。

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「TSUTAYA」図書館 契約解消し検証へ 愛知 NHKニュース

「ツタヤ図書館」計画白紙に 愛知・小牧、市民と再協議:朝日新聞デジタル

お知らせ|CCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCC)が、CCC・TRC共同事業体として愛知県小牧市と現在契約中のアドバイザリー業務は、契約を解消する方向で進めています。

 なお、契約金につきましては、発生をさせない考えでありますが、今後市と協議を進めてまいります。

今月初旬に住民投票で反対多数となった小牧市のいわゆる「TSUTAYA」図書館計画について、市は契約を解消し、今後の図書館計画を再検討することとしたようだ。
CCCが、公共図書館の設置運営の能力を備えていないのは明らかであるし、英断といってよいだろう。CCCにはデザイン力はあるのだが……という部分的な擁護もあるようだが、雰囲気ばかりを重視し、施設の本来機能を軽視した、というよりついにそれを理解できなかったままで行われた構築を「デザイン」とは呼ぶべきでない。

「武雄図書館問題」の頃から、連鎖して図書館の本来機能とは何か・それは変化しているのではないか、という問いが立てられている。それはそれで有意義な議論だが、TSUTAYA図書館はその構造において、図書館蔵書と新刊図書・雑誌の人呼び効果にタダ乗りして利益を出そうと試みる仕掛けでしかない以上、図書館の管理委託という流れの中で一時的に咲いた徒花にすぎない。

現状の武雄市図書館で何が行われているかといえば、「オシャレ」な空間で新刊雑誌をタダ読みさせる代わりにコーヒーを買わせる、といういわば三角売買である(武雄市図書館での販売雑誌の返品率が不明のため断定はできないが、通常書店より高い割合だろうことはほぼ間違いない)。
ここでは新刊雑誌を配本している出版社・取次がフリーライドされている。この歪な構造をもった図書館の普及が意味するのは、現在の書籍・雑誌流通の仕組みの掘り崩しである。
出版界で従来からの高い返品率の改善運動が叫ばれるなか、CCCは公共施設という抜け道を使ってその動きに逆行することで利ざやを稼ごうとしている。これは図書館と出版界を引き裂きかねない動きだ。